腰痛ストレッチの目的は何?|痛みの緩和なら毛管運動が楽
腰痛ストレッチに何を期待しますか?
腰の痛みの緩和を期待しているのなら、ただ伸ばすという静的ストレッチでは、あまり効果は期待できません。
効果的な腰痛ストレッチは、腰を伸ばすのではなく足の裏側を柔らかくしていく方が痛みの緩和につながります。
そのために、 1日に出来れば2回(1回でもかなり効く)、1回につき15分の毛管運動と、本当に腰痛を何とかしたいならば、合わせて試してみて頂きたいものがあります。
腰痛対策には様々な治療法があり、エビデンスや理論も大切でしょうが、実際に楽になったの?が最も重要だと思います。
全員の腰痛を解消することは出来ないでしょうが(そんなことが出来たら革命的ですし)、これで楽になる人は多いと思います。
私自身も自分の腰痛ケアに抜群に効果を上げていますし、実践してくれている人からも改善している様子を毎日見ています。
今までの下手な体操やストレッチは一切不要、これだけやれば充分な腰痛ケアのやり方を書いてみたいと思います。
ストレッチの意味と種類
1日中デスクワークをやっていたり、腰を屈ませた作業をやっていたりすると、腰に疲れや痛みを感じます。
そんな時には、思いっきり腰を伸ばしたいですね。
そこで軽くストレッチをするわけですが、ストレッチとは、ゆっくりと筋肉を伸ばしていき、抵抗を感じたところで静止させる行為という意味があります。
筋肉や腱や関節を伸ばし、運動する前のケガ防止や腰痛・肩こりの予防のために行うことが多いです。
ゆっくりと筋肉を伸ばしていき、もうこれ以上伸ばせないというところで数秒〜数十秒じっとキープする方法。
これを静的ストレッチとかスタティックストレッチと言います。
一般的にストレッチと言えば、この静的ストレッチのことがイメージされるのではないでしょうか。
ストレッチには他にも種類があって、主なものは4つあります。
- スタティック(静的)ストレッチ
- ダイナミック(動的)ストレッチ
- バリスティックストレッチ
- PNFストレッチ
ダイナミック(動的)ストレッチとは、動きながら筋肉や腱や関節を伸ばしていくやり方で、サッカーの準備運動として行われるブラジル体操が有名です。
こちらはテニスの王者ジョコビッチがダイナミックストレッチをしている動画です。
【ジョコビッチ 練習】ダイナミックストレッチで可動域を広げる【柔軟性がわかる】
筋肉を無理に伸ばすのではなく、使う筋肉が動きの中で自然に伸びていくようにするストレッチになっています。
実際にスポーツの準備運動として、静的ストレッチで筋肉を伸ばしてしまうと、伸びすぎてしまい関節のバネが落ちて、パフォーマンスが下がるという研究結果もあるようで、ダイナミックストレッチをメインにしている選手も増えているそうです。
バリスティックストレッチは動的ストレッチの1種で、主に反動をつけて筋肉を伸ばす方法です。
PNFストレッチは、筋肉に抵抗を加えて1度収縮させてから、その抵抗をなくすこと(脱力)で筋肉の柔軟性を得ようという方法です。
スポーツのパフォーマンス上、この4つのストレッチ方法のどれがパフォーマンスを上げ、どれが下げたかを研究した参考文献がありました。↓
そこで腰痛ストレッチに関してですが、一般的には静的ストレッチを行っている人が多いと思います。
こんな感じですね。
腰痛改善ストレッチとは言いますが、そもそもストレッチは「伸ばす」ものなので、どちらかと言うと腰痛の予防という意味合いが強いのではないでしょうか?
私は、腰痛ストレッチとか腰痛改善ストレッチという言葉にとても違和感があります。
ストレッチは動かす前に筋肉を柔らかくしておきましょうという意味でやるものであり、痛みを伴った筋肉に対して、それを伸ばすことで痛みの緩和を目的に行うものではないと思うからです。
ラジオ体操などは動的ストレッチになりますので、腰痛予防のため、仕事の前にラジオ体操をする職場があるのはとても理にかなっていて、良いことだと思います。
しかし、腰痛ストレッチの方法を探している人は、今あるこの痛みを何とかしたいと思っている人が多いのではないでしょうか?
腰の痛みの緩和・改善を目的に、静的でも動的でも、ストレッチをしてみたいという人は多いと思いますが、実際に楽になっているのかが問題です。
ストレッチの本来の目的から言っても、腰が痛いからといって腰の筋肉をを伸ばしても、なかなか痛みの緩和には繋がらないのではと思います。
ストレッチをやる時間があるなら
腰痛ストレッチをやる時間があるなら、もっと効果的な方法があります。
らくらく毛管運動というものです。
ストレッチの目的として、凝り固まった筋肉を柔らかくしたいという思いがあるのでしょうが、腰痛ストレッチをしても、痛みを伴った筋肉を充分柔らかくすることは出来ません。
痛い筋肉を伸ばしても、気持ちよくはならないし、痛いのに無理に伸ばそうとすると、体は反発を起こし、逆に固くなり余計に痛めることもあります。
痛めている筋肉は、痛みがあるほど安静にしていた方が良いです。
その上で、何か改善に繋がることをしたいのならば、腰の痛みを起こしている筋肉に直結している、足の後ろ側の筋肉からほぐしていくことをオススメします。
その方法として最も効果的なのが、この「らくらく毛管運動」です。
Raku Raku Workout no1(らくらく毛管運動)
両手・両足を上に挙げて、ブルブルゆする感じです。
上記の動画のように、両足を壁に寄りかからせて行い、15分間ゆする方法を「らくらく毛管運動」と言います。
足を壁に寄りかからせず、ただ両手・両足を挙げてゆする方法が毛管運動で、ゴキブリ体操とも言われています。
その方法では、かなりきついので、2〜3分くらいしか行えません。
筋力的にもハードなので、腰痛改善のために筋肉を柔らかくする目的では意味が違ってきます。腰痛があるならば「らくらく毛管運動」の方が良いです。
らくらく毛管運動のやり方と注意点
- お尻をなるべく壁に近づけて足を上げ、両足を壁に寄りかからせます。
- 両手・両足を上げて15分間、リラックスしながら手足をブルブルゆすります。
- 頭には枕をしてください。
- 足首は曲げて、足の後ろ側が伸びるようにしたほうが良いですが、無理に伸ばす必要はありません。やってるうちに段々伸びてきます。
- 筋トレやストレッチではないので、無理にやらず楽な感じで行ってください。
- 時間は15分〜60分間まで出来ます。60分以上やると逆効果になることがありますので注意してください。
- 最低でも15分はがんばりましょう。10分過ぎてからの5分間にものすごく効いてきます。
- 動画にあるような、両手・両足を開いた形で行うのは、痛みがあるうちはやる必要はないです。
- 1日に理想は2回出来るとよいですが、1回でも充分効いてきます。
- 腰だけでなく膝に痛みのある人にも改善効果が大きいです。
らくらく毛管運動で得られる効果
なぜ、この「らくらく毛管運動」が腰痛ケアに効果的かというと、腰が痛い時には、ほとんどの場合、体の後ろ側全体が凝り固まっています。
凝りの第一原因は血行不良です。
筋肉をストレッチして伸ばしても、凝りを取り除くほどの血行改善にはなりません。
らくらく毛管運動を行うと、細胞へ血液を送る毛細血管をきれいに掃除する作用があり、末端血流が改善することで筋肉細胞が柔軟性を取り戻します。
毛細血管にはグローミューという小動脈と小静脈をバイパスする管があり、細胞が栄養を必要としていない時や、血液が汚れていてドロドロの状態の時に、このバイパス管(グローミュー)が開いて、余分な血液や汚れた血液が細胞に取り込まれないように、細胞をパイパスして血液を体内へ戻す働きをしています。
毛管運動を行うと、このグローミューが活性化され、細胞への血流を適切に調整してくれるようになるそうです。
(こちらの本から参照 らくらく毛管運動でよみがえる)
医学的なデータやエビデンスは見つけられませんでした。
しかし、やってみると体の特に後ろ側全体がスッキリして、足の後ろ側も柔らかくなり、筋肉もしっかり伸びた感覚があります。
そして、腰に違和感や重さ、痛みもかなり緩和されている実感があります。
毎日15分を続けていて、一番効果を感じたのが、朝起きる時の腰の痛みが激減したことでした。8時間寝ても痛くなかったのは驚きでした。
毛管運動+首の後ろをチョンと押せば効果倍増
ここからは、私が自分の腰痛ケアで実践している方法をご紹介します。
私もひどい腰痛持ちでした。
今では、ほとんど完治していますが、たまに運動不足にもかかわらずゴルフの打ちっぱなしで力任せに球を打ち続けると、腰に重ったるい痛みが出ます。
そんな時に自分の体をケアする方法としていろいろ試した結果、一番完璧に腰の違和感が取れる方法が、首の調整と毛管運動のセットでした。
首の調整は、スペシフィックカイロプラクティックの施術方法を、1人で自分自身に行えるようにアレンジしたものです。
首を整えると様々な痛みや病気が治るという題目の本や雑誌記事がありますが、それよりはもっと実践的で簡単な方法です。
カイロプラクティックの医学的見解には様々なご意見があると思いますので、なぜそれで効果があるのかについては割愛させて頂きますが、なんだかんだ言っても、楽になるかならないかだと思いますので、あえてやり方だけご紹介します。
やり方を守って頂ければ、楽にならなくても害にはなりませんし、それでも多くの方に腰痛の緩和を実感して頂けると思います。
首の調整方法
この調整方法はスペシフィックカイロプラクティックの施術方法が元になっています。
スペシフィックとは「唯一の」とか「特定の」という意味があり、頸椎のズレを特定し、唯一そのズレのみを調整するカイロプラクティックの技法です。
ただし、難しいのは調整するポイントと方向を決めるだけですので、それが見つかれば、あとは軽い刺激で調整できてしまいます。
強い力でグリグリと押し込むようなことをしなければ、危険はありませんし、タダで出来て、慣れれば2〜3分でやれますので、それで楽になるならラッキー♪って感じで挑戦してみてください。
力加減の練習
基本的に首の後ろを指で押すだけですが、その力加減を練習してみましょう。
片方の手の平にもう片方の手の親指の先を垂直に当てて、親指の第一関節をクイクイクイと2〜3回曲げ伸ばししてみてください。
手の力で親指を押し込むのではなく、親指の関節を曲げ伸ばしするだけの力加減による軽い刺激が丁度よいです。
調整ポイントの見つけ方
仰向けに寝て、頭は枕を使わずフラットにして寝てください。
その状態で、片足ずつ膝を曲げないでまっすぐに上げてみてください。その時に足の重さを覚えておいてください。
次に両足を揃えてまっすぐに上げてみてください。これも上げた時の重さを覚えておいてください。
そして、次の動画で説明している頸椎のポイントをおさえてみて、同じように足を上げて、その重さの違いを調べます。
足を上げた時の重さが一番軽くなったポイントを、先に練習したように、指の関節をクイクイクイと曲げ伸ばしするくらいの軽い刺激で押して調整します。
調整するポイントを指で抑えた時に、何もしない時と比べて、足を上げた時に感じる重さの変化をはっきりと感じられる人は、改善効果が出るのが早く、かなり楽になると思います。
それほどはっきりとした変化を感じられなかった人も、ちょっとの変化でも、気のせいかなくらいでもOKですから、ポイントを決めて押してみてください。
頸椎の調整方法
こちらの動画をご覧ください。
調整するポイントを探すのに一番難しいのが頸椎1番です。
まず、頸椎1番のズレを調べていきます。
耳たぶの後ろ側に、頭蓋骨からVの字に出ている骨があります。この奥に頸椎1番があり、このV字ラインに沿って皮膚を引っ張っていくと、頸椎1番が動きます。
そこで調べるのが、頸椎1番のズレのパターン8つです。
- 後頭部側から頭蓋骨のV字ラインを、少しずつ皮膚を引っ張っていくようになぞっていき、V字の頂点を少し超えたところで上にねじる
- 後頭部側から頭蓋骨のV字ラインを、少しずつ皮膚を引っ張っていくようになぞっていき、V字の頂点を少し超えたところで下にねじる
- 耳たぶ側から頭蓋骨のV字ラインを、少しずつ皮膚を引っ張っていくようになぞっていき、V字の頂点を少し超えたところで上にねじる
- 耳たぶ側から頭蓋骨をV字ラインを、少しずつ皮膚を引っ張っていくようになぞっていき、V字の頂点を少し超えたところで下にねじる
それぞれのポイントの中で、指でおさえたまま足を上げてみて、軽くなるポイントを探してください。
これを左右で同じように調べていきますので、合計で8パターン調べることになります。
ポイントが決まったら、その形で指でおさえたまま、指の第一関節を曲げて伸ばす感じで軽くクイクイクイっと2〜3回押してみてください。
間違っても指圧するようにグリグリ押し込んだり、指圧棒でゴリゴリ押したりしないでください。
次に頸椎2番を調整します。
こちらは右か左かを調べるだけです。首の後ろの頭蓋骨との境目辺り、首の一番上の真ん中にちょっと出っ張った骨があり、これが頸椎2番です。
その中心から1〜2cmくらい右を指で押してみて足を上げ、その重さを調べます。
左も同じように調べて、どちらが軽く感じたかを決めて、そちらを指の関節を曲げ伸ばしするようにクイクイクイと、頸椎の中心方向へ押してください。
頸椎1番と2番は、ポイントと方向が合っていれば、指の第一関節を曲げて伸ばす感じで軽くクイクイクイっと押すくらいの、やさしい刺激で充分動きます。
逆に言うと、もしポイントや方向がズレていても、その程度の軽い刺激では、ほとんど変化しませんので、悪い方へ動く心配はありません。
決して強い力では押し込まないようにしてください。
注意点
- 調整をした後は30分〜1時間くらい横になり寝ていた方がよいので、夜の就寝前にやってみてそのままお休みください。
- 1度やったら、1〜2週間くらい間をあけてください。つづけて毎日のように調整するものではありません。
- あくまでも、治療を目的とするものではないことをご理解ください。治療は医療機関などで行うものです。
- 本当に軽い刺激で行ってください。よい変化があるとすれば、軽い刺激で充分です。指を曲げ伸ばしするくらいの軽い刺激であれば、体に害になることはありませんが、首や肩に何らかの疾患があり医師の診断を受けている人は絶対にやらないでください。
まとめ
凝り固まった痛みのある腰をストレッチで伸ばしても痛みの緩和は難しいと思います。
腰痛ストレッチのかわりに、「首の調整」+「らくらく毛管運動」を試してみてください。
首の調整は1〜2週間に1度くらい行い、首の調整をしてから続けてらくらく毛管運動を15分行います。
首の調整をしない日は、らくらく毛管運動を1日に1〜2回、15分行ってみてください。
物は試しで、何の器具もいらず無料で出来ますので、ちょっとでも興味があり、ピンときた人には、ぜひ試してもらいたい方法です。