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磁気ネックレスで肩こりが楽に!?|磁気治療の賛否両論まとめ

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肩こりネックレスの効果について

いろいろな考え方があります。

 

とても楽になった!という人もいれば

効果なし、または頭痛が出る、と言う

人もいます。

 

いわゆる磁気治療については、医学的

根拠があるという意見と、不十分という

意見に別れてもいます。

 

結果、何を信じるのかは、人それぞれということに落ち着くのですが、一応それぞれの意見や考え方をまとめて調べてみました。

 

肩こりネックレス(磁気ネックレス)をつけてみて、すごい!効いた!という人の感覚は、当然否定できるものではありません。

試してみて良いと思うなら、その人にとっては優れたアイテムです。

 

これから試そうと思っている人にとっては、肯定派、否定派、両方の考えは考えとして参考にしながらも、最後は自分で試してみる価値があるかどうかを判断してくださいね。

 

磁気治療器が「管理医療機器」と認められた経緯

ことの発端は、石渡弘三さんという方が、自分と家族の病気を治療しようとして様々な療法を調べていた時に、母親の使っていた磁気バンドを思い出し、遺品の中から探して自分の手首につけてみたら肩がスーと楽になったというのがきっかけで、磁気の研究を始め、交流磁気治療器の試作品を完成させたことらしいです。

詳しい内容はこちらを参照してください 交流磁気治療器開発者のラストメッセージ

 

この交流磁気治療器で、自分も家族の健康状態も改善していったことから、他にも病気で苦しんでいる人を救いたいと医療機器の認可をめざし、それに協力していたのが医学博士の中川恭一先生でした。

 

中川恭一先生の論文によって、厚生労働省も効能を認め、厚生労働省告示第112号でこう表記しています。

装着部位のこり及び血行の改善。一般家庭で使用すること。

  出展 厚生労働大臣が基準を定めて指定する医療機器

 

医療用具の認可を受けた後に、石渡弘三氏は、昭和57年に(株)創健販売(現在の ソーケンメディカル)を設立しています。

 

医学的根拠について

厚生労働省に認可を受けた功績は、中川恭一先生の論文「皮膚貼付用磁気治療具の治療効果について」によるところが大きいのですが、その論文において、磁気治療の医学的根拠については疑問視する意見があります。

 

私はその論文を読んでいないし、読んでもよく分からないと思うのですが、こちらの2つのサイトでは、このように言及しています。

この研究はいわゆるアンケート調査のようなものであり、十分な臨床試験が行われていたとはわけではなかった。

 出展 疑似科学とされるものの科学性評定サイト

 

この論文では効果を90%となっていますので、メチャメチャ優秀な治療方法です・・・でも、この効果判定なんですが、なんとハガキによるアンケート調査の集計に基づいているんです

  出展 五本木クリニック 

 

つまり、医療として治療するには医学的な根拠は充分に示されていないが、磁気治療器を使用した人のアンケート調査においては多くの改善があった。ということのようです。

 

厚生労働省も「装着部位のこり及び血行の改善」として認可しているわけで、肩こりが解消しますとか、難治性の病気が治ります、とは認めていないし、そのような誇大広告に対しては注意を促しています。

 

フレミングの法則について

磁気治療器の説明によく登場するのが「フレミングの法則」とか「ローレンツ力」ですが、これにも賛否両論あります。

 

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出展 ヤシマ電気

 

 いろいろな賛否両論を調べてみて、フレミングの左手の理論の指の向きに、解釈の違いがあるように思いました。

 

否定派の意見でおもしろいと思ったのがこちら⇒(参考 教えて!goo

難しすぎてあまり理解できませんでしたが、たぶんこちらは血液中の各種イオンや電子が流れることを電流として、上記の図の中指(電流の流れる方向)を血液の流れる方向と解釈しているようです。

 

すると、血管に直角に磁場を当てた場合、親指の方向=運動方向(ローレンツ力)は血流に対して垂直に働くので、血流を逆に阻害するのではないかという意見です。

 

一方、肯定派では、血液の流れを、血管の中を粒子が動くのだから、血液が流れる方向を運動方向だと解釈し、磁場の中を血液が流れることで電気が発生、その電流によって血行がよくなったり神経の働きがよくなるという意見のようです。

(参考 ソーケンメディカル

 

つまり、前者は血液の流れる方向が中指で、後者は親指になっています。

結果、かみ合うわけがない気がします。

 

また、肯定派の参考にしたソーケンメディカルのサイトでは、磁場を当てることで、血液の流れを使って電気を起こすので、そもそも血流の悪いコリのある部分に磁石を当てても起電力は弱いと認めています。

ゆえに、永久磁石では効果が弱いので、交流磁気治療器にして、血液が動かないならば磁場を動かし起電力を上げようという発想だそうです。

 

一方、磁気ネックレスでは、つけて動くので磁場の当たりどころが変化し変動磁場となるので、その作用で起電力が生まれ、コリの改善につながるという説明がこちら

参照⇒磁気治療器(永久磁石式)の効果の説明

 

ローレンツ力によって血中の正負イオンが反対方向へ移動することで起電力が生まれるということらしいですが・・・

それって体内での化学反応を邪魔して必要分子を作るのに妨げになるのでは?

水素水を飲んで活性酸素を減らすのは、電子を失った不安定な活性酸素に水素の電子と結合させて安定した分子にするためだと思うのですが。

 

私には、よくわかりません。

 

プラセボ効果プラシーボ効果)について

磁気治療器によるコリの改善効果は、プラセボ効果プラシーボ効果)によるものではないかというものが、否定派の意見では多いと思います。

 

ただ、肯定派の中でもプラセボ効果を想定して二重盲目検法で研究もしています。

磁気治療を医学的に研究している日本磁気医学会(参照 日本磁気医学会)の学会誌にこのようなものがありました。体温と白血球の自律神経支配

 

この中で、てい鍼(テイシン・・針のない鍼 ここでは円柱形で底辺の平らな物を使用)で対象者の皮膚を圧迫して変化をみています。

ここで、磁気を帯びた「てい鍼と同一形状同一金属の磁気を帯びていない「てい鍼で圧迫を加えた時の対象者の変化を検証していました。

 

対象者の変化が磁気によるものか、プラセボ効果によるものかを比べるためです。

結果は、両者とも変化はあり、ただし磁気を帯びた方が変化が大きかったという結論になっています。

でも、磁気のない方も変化したんですよね。

 

対象者の変化はプラセボ効果ではなく、てい鍼による圧迫刺激によるものである可能性も示唆していました。

 

磁気による効果かプラセボ効果かを白黒つけるためには、大規模に時間をかけて二重盲目検法による検証が必要でしょう。

しかし、そこまで時間と労力と経費をかけての検証は、なかなかされないでしょうね。

そんなにメリットもあるとは思えませんので。

 

ただ、プラセボ効果にしろ何にせよ、効いた!という人にはそれがメリットなので、様々な意見があるけど試してみて良かったらいいと言うことでOKなのではないでしょうか。

 

磁気欠乏症について

私は、フレミングの法則やローレンツ力やプラセボ効果よりも、この磁気欠乏症の方が気になります。

 

地球の磁気を地磁気といって、そのおかげで方位磁石で方角がわかるわけですが、この地磁気が年々減少傾向にあるらしいです。

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出展 気象庁 地磁気観測所

 

生物の進化の過程で、地磁気の影響を始めから受けていたので、生きていく上で地磁気の影響にも適応してきたと考えられます。

 

大気や重力、太陽光などと共に、地磁気も生物にとっては大切な環境要素となっていて、その地磁気が減少することで何らかの影響があるという説です。

 

それに加えて、人の生活環境の中で、車の中や電車の中、鉄筋コンクリートの建物の中などにいる時間が多くなると、鉄は磁気を吸収してしまうので、体に受ける磁気が大きく減少します。

その影響で健康に何らかの好ましくない症状を起こす状態を、磁気欠乏症候群として、生体と磁気の関連が研究されています。

 

足りない磁気を、磁気をあてることで補うと、体調の好転がみられるという研究は、磁気治療器の説明の中では、私は一番説得力があるような感じを受けます。

 

まとめ

磁気ネックレスによる肩こりの改善効果は、医学的根拠としては不十分かもしれません。

厚生労働省で「管理医療機器」に認定されているのも、医学的にコリを治療する効果を認めているわけではなく、リスク管理上の問題の有無を管理している色合いが強いようで、それを使っても健康上のリスクはないという許可を得たものは製造・販売してもいいよということです。

 

磁気ネックレスを使って、肩こりが楽になるような効果については、根拠としては不十分かもしれませんが、人それぞれで、とても効果を感じる人もいることは確かです。

 

磁気が生体に与える影響は、完全に解明されたわけではないですが、完全に否定されたわけでもありません。

生命とそれを取り巻く環境からの影響も、未知のものや解明されていないものは多いと思います。

 

磁気治療器においても、誇大広告にはしっかりと注意を払いながらも、自分自身で試してみる価値があると思えば、やってみる意味はあるのではないでしょうか。